相続税の取得費加算の特例とは?適用できないケースや併用可能な特例を解説

相続税の取得費加算の特例とは?適用できないケースや併用可能な特例を解説

この記事のハイライト
●取得費加算の特例とは、相続した財産を売却した際に、納税済の相続税の一部を譲渡所得を計算する取得費に加算できる制度

●夫婦間の相続の場合は、取得費加算の特例が適用できないケースが多い

●取得費加算の特例と併用できるのは、居住用財産を売却した際の3,000万円の特別控除や買い換えに伴う特例措置、小規模宅地特例である

相続した不動産を売却する際に、納めた相続税の一部を譲渡所得を計算する際の「取得費」に加算できることをご存じでしょうか。
これは「取得費加算の特例」と呼ばれ、適用されれば大幅な節税対策が期待できます。
そこで、取得費加算の特例とはなにか、また適用できないケースやほかの税制との併用についても解説します。
名古屋市昭和区を中心に16区及び名古屋市隣接エリアで、不動産を相続する予定がある方はぜひ参考になさってください。

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相続税の取得費加算の特例とは?

相続税の取得費加算の特例とは?

相続した土地を売却した際に、すでに支払った相続税の一部が取得費に加算され節税対策になることがあります。
ただし、利用するには相続から売却までの期限が決まっているなど、要件を満たさなければなりません。
ここでは、取得費加算の特例の概要や要件、計算方法について解説します。

取得費加算の特例の概要

取得費加算の特例とは、相続により取得した建物や土地などを売却したときの譲渡所得を計算する際に必要な取得費に相続税の一部を加算できる制度です。
通常、不動産を売却した際に利益が出ると、確定申告をおこない必要に応じて所得税や住民税などを納めなければなりません。
この確定申告時に計算する譲渡所得は以下の計算式で求めます。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
この計算式の取得費の部分に相続税の一部を加えることができます。
譲渡所得にかかる税金は「譲渡所得×税率」で計算されるため、譲渡所得が減るほど節税に繋がります。
つまり、取得費が増えるほど譲渡所得を減らすことができるため、支払う税金を抑えることが可能なのです。
たとえば、4億円の財産(土地2億円、そのほか2億円)を相続して支払った相続税は1億円だったとしましょう。
そして、相続した土地を2億円で売却すると、先ほど支払った相続税1億円の2分の1にあたる5,000万円を取得費に加算することができます。

適用要件

取得費加算の特例を受けるためには、以下のような要件を満たす必要があります。

●相続や遺贈により財産を取得していること
●相続税を納めていること
●相続開始から3年10か月以内に売却していること


取得費加算の特例を受けるためには、被相続人から相続などにより取得し、かつ相続税を納めていることが条件となっています。
また、そのうえで3年10か月以内に売却しなければ対象外となるため注意しましょう。

取得費に加算する相続税額の計算式

取得費に加算する相続税額は、以下の計算式を用いて算出します。

相続税額=相続税額×不動産の課税価格/(相続した全体の課税価格+債務控除)
この計算式で算出された金額が、譲渡所得の取得費に加算できることになります。

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相続税の取得費加算の特例が適用できないケースとは

相続税の取得費加算の特例が適用できないケースとは

取得費加算の特例は適用できないケースもあります。
ここでは、特例の適用対象外となるのはどのようなケースなのかを解説します。
適用対象外のケースは以下の2つの場合です。

●贈与により取得した場合
●夫婦間の相続である場合


それぞれのケースをご説明します。

適用できないケース1:贈与により取得した場合

贈与された財産については、取得費加算の特例を受けることはできません。
この特例は、あくまでも相続や遺贈などによって発生する税金の負担を抑えるためのものだからです。
ただし、次のような場合は贈与により取得した場合でも適用されます。

●相続時精算課税制度(生前贈与の課税を相続時まで先送りする制度)を利用した
●3年以内加算制度(贈与後3年以内に贈与者が死亡し相続が開始した際に利用できる制度)を用いた


相続時精算課税制度は、最大で2,500万円までの贈与が非課税となり、その後相続が発生した際に非課税分もまとめて相続税の課税対象となる制度です。
また、贈与を受けてから3年以内に被相続人が亡くなり相続が開始された場合も、贈与がなかったものとみなされるため、贈与された財産も相続財産としてカウントされます。
これらの制度を利用した場合は、取得費加算の特例を受けることができるため、当てはまる方は積極的に利用すると良いでしょう。

適用できないケース2:夫婦間の相続である場合

夫婦間の相続である場合は、取得費加算の特例が適用できないケースがあります。
配偶者の場合、税額軽減といって相続した財産のうち1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額までは、相続税が非課税になる制度があるためです。
多くの配偶者がこの税額軽減に当てはまるため、相続税が発生しないケースがほとんどです。
つまり、取得費加算の特例は相続税の納税者が適用要件のため、そもそも相続税が発生しない配偶者は適用外となります。
このように夫婦間の相続の場合は、かからないケースが圧倒的に多いため、夫婦間の相続にはあまり関係ないと思っておいても良いでしょう。

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相続税の取得費加算の特例と併用できる税制度

相続税の取得費加算の特例と併用できる税制度

取得費加算の特例は、ほかの特例と併用して使えることがあります。
併用すれば、さらなる税金の負担を軽減できるでしょう。

併用可能①居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除

1つ目に併用可能な特例は、居住していた家を売却した際に利用できる「3,000万円の特別控除」です。
譲渡所得から最高で3,000万円まで控除できるため、大幅な節税対策となるでしょう。
ただし、空き家を売却した場合に利用できる3,000万円の特別控除とは、併用できないため注意が必要です。

併用可能②居住用財産の買い換えにかかわる特例措置

2つ目に併用可能な特例は、居住していた家を買い換えるために売却した際に利用できる特例です。
売却時に発生する譲渡所得税が先送りされるため、一時的に免除される制度です。
ただし、買い換えた家を売却した際に先送りされた譲渡所得税も併せて課税されます。
この特例も、取得費の加算の特例と併用可能ですが、前述した居住用財産の3,000万円の特別控除とは併用できないため注意しましょう。

併用可能③小規模宅地特例

小規模宅地特例を利用して土地を売却した際も、取得費加算の特例は利用できます。
小規模宅地特例とは、被相続人が居住していた家を売却した際に、一定面積までは相続税の課税価格を減額できる特例です。
特例を併用すれば、大幅な節税が期待できるでしょう。
ただし、賃貸不動産を相続した場合や同居親族が自宅を相続した場合は、相続後の10か月は売却してはいけないなどの条件があります。
そのため、そのようなケースに当てはまる場合は、売却のタイミングに注意しましょう。
小規模宅地特例は利用条件が複雑なため、利用する場合は事前に条件を確認しておくことをおすすめします。

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まとめ

取得費加算の特例を用いれば、相続した財産を売却した際に発生する譲渡所得税(所得税・住民税)の負担を軽減することができます。
ただし、利用するには相続により取得していることや相続税を納めていることなどの要件が定められているため、それらの要件を満たす必要があります。
また適用条件に当てはまる場合は、3,000万円の特別控除や小規模宅地特例などの併用可能な特例と併せて利用すれば、大きく税金の負担を軽減できるでしょう。
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村田真義

資格:宅地建物取引士 住宅ローンアドバイザー 電気工事士 危険物取扱者

安心して不動産の売買をしてほしいという思いから、積極的に顔を見せて身分を明らかにしています。
しつこい営業はしません。わたしもしつこくされるのが嫌いです。
名古屋市は、住みやすく、美味しいものも多く、働きやすいと、たくさん良いところがあります。
一人でも多くの人に、名古屋の良さを知って欲しい、そして暮らして、働いて定住して欲しいと思っています。

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